対談と鼎談の間にある面白い相違は、二人の時と三人の時で異なる「呼吸のリズム」によるものが大きいように感じます。こちらの『書斎のポ・ト・フ』には、同人仲間だった谷沢永一、向井敏、開高健の三人が1980年の秋に行った書評鼎談が収録されています。谷…
かつて、その確かな批評眼と明晰な文章力で、世の文筆家に恐れられた文芸評論家がいました。それが谷沢栄一と向井敏です。彼らの書評は文壇や学会の風向きなどにおもねる所が一切なく、くだらない言辞には舌鋒鋭く批判を浴びせかけ、その徹底的な容赦の無さ…
世の中には、落語入門を謳った書籍がいくつもあります。そうした本は、名作を詰め合わせたものに対して、落語家が魅力をプレゼンするような体裁を取るものが多いようです。そのなかでも、名作のコミカライズは定番中の定番です。やはり、落語とマンガは相性…