ひっくり返れば浮き世。

書評を中心とした読書ブログ。評論、小説、漫画、詩歌など、幅広く読んでいくつもりです。

2010年代

『新装版 まだ見ぬ書き手へ』

恥ずかしながら白状すると、私は文章を勉強している身の上でありながら、最近はまったくと言っていいほど小説を購入していません……。エッセイとか評論とかは惜しげもなく買うんですけど、小説だけはなぜか別で。どうしようもなく食指が動かないのです。結局…

『ツイッター、その雑念のゴミばこ』

みなさん、最近、ツイッターを楽しくやってますか。イーロン・マスクが会社を買収して以来、なんだか居心地が変わりましたよね。今となっては移住先のSNSを探しているという人も多いみたいです。でも、結局、SNSの面白さなんてね、そこに居座る人たちの存在…

『傾いた夜空の下で』

岩倉文也は、とても現代的な登場の仕方をした詩人と言えるでしょう。というのも、彼は丹精込めて作り上げたであろう詩の発表の場のひとつに、敢えてツイッターを選んだのです。いや、今でこそツイッター上で詩を発表する人間自体は珍しくもないのでしょうけ…

『書斎のポ・ト・フ』

対談と鼎談の間にある面白い相違は、二人の時と三人の時で異なる「呼吸のリズム」によるものが大きいように感じます。こちらの『書斎のポ・ト・フ』には、同人仲間だった谷沢永一、向井敏、開高健の三人が1980年の秋に行った書評鼎談が収録されています。谷…

『マンガで読む名作落語三昧』

世の中には、落語入門を謳った書籍がいくつもあります。そうした本は、名作を詰め合わせたものに対して、落語家が魅力をプレゼンするような体裁を取るものが多いようです。そのなかでも、名作のコミカライズは定番中の定番です。やはり、落語とマンガは相性…