エッセイ・随筆
恥ずかしながら白状すると、私は文章を勉強している身の上でありながら、最近はまったくと言っていいほど小説を購入していません……。エッセイとか評論とかは惜しげもなく買うんですけど、小説だけはなぜか別で。どうしようもなく食指が動かないのです。結局…
私は学生の頃、柔道部に所属していたことがあります。その頃の思い出には不愉快なものが多いんですが、柔道を通して得た収穫というのは確かにいくつかあることにはあるんですよ。なかでも大きいと思うのは、「身体の使い方」というものが文字通り身体で実感…
みなさん、最近、ツイッターを楽しくやってますか。イーロン・マスクが会社を買収して以来、なんだか居心地が変わりましたよね。今となっては移住先のSNSを探しているという人も多いみたいです。でも、結局、SNSの面白さなんてね、そこに居座る人たちの存在…
みなさんには子供の頃、憧れの職業というものはありましたか。または、大人になってから夢を目指して頑張っているという人も中にはいらっしゃるかもしれませんね。私は昔、児童書作家という職業に強い憧れを持っていました。いま思えばものすごく傲慢なんで…
「昔はよかったなぁ……」という郷愁は、ある程度の年齢になれば、誰しもが抱くようになるものでしょう。しかし昨今の「昔はよかったなぁ……」には、もっと切迫したもの、嘆きのようなものが感じられるようになりました。正直、私としては、こういう空気にはか…
対談と鼎談の間にある面白い相違は、二人の時と三人の時で異なる「呼吸のリズム」によるものが大きいように感じます。こちらの『書斎のポ・ト・フ』には、同人仲間だった谷沢永一、向井敏、開高健の三人が1980年の秋に行った書評鼎談が収録されています。谷…
かつて、その確かな批評眼と明晰な文章力で、世の文筆家に恐れられた文芸評論家がいました。それが谷沢栄一と向井敏です。彼らの書評は文壇や学会の風向きなどにおもねる所が一切なく、くだらない言辞には舌鋒鋭く批判を浴びせかけ、その徹底的な容赦の無さ…